【Book】Twitterの本

関根元和・上野祥子・秋田真宏 著、
インプレスジャパン 刊、
短いつぶやきから始まるコミュニケーション。


Twitterの概要
 「Twitter」はTwitter社が運営する、「マイクロブログ」「ライフストリーミング」と呼ばれる種類のコミュニケーションサービスです。


Twitterの使い方
 「いまなにしてる?」と見出しのある最大140文字まで記入可能な入力域から「つぶやき」と称する短文を書き込みます。
 画面上にはつぶやきが書き込んだ順に表示され、これを「タイムライン」と称します。
 自分のつぶやきの内容はサーバに保存され、次回ログインしたときに過去のつぶやきを参照することもできます。

 自分一人で使用する場合には上記のように単なるつぶやきの記録のみとなりますが、他のユーザと「フォロー」関係を結ぶことで、お互いのつぶやきがタイムラインに表示されるようになります。
 フォローには、自分が誰かを「フォローしている (Following)」関係と、誰かから自分が「フォローされている (Follower)」関係があります。
 Followingのつぶやきは自分のタイムラインに表示されるようになり、様々な情報やアイデアを入手できるようになります。また、自分のつぶやきはFollowerのタイムラインに表示されるようになります。


Twitterの特徴
 Twitterの特徴は、以下の通りです。


・メッセージが短い
 もともとSMS(海外携帯電話に搭載の短信メール機能)と連動して利用するサービスであるため、SMSのメッセージ最大長に合わせ140文字が1メッセージの上限となっている。
 メッセージが短いことで1件1件の書き込みの心理的な敷居が下がり、まさに「つぶやく」ようにやりとりがなされる。


・他ユーザとの関係が非対称
 多くのソーシャルサービスにおけるフレンド関係は対照的ですが、TwitterにおいてはFollowingユーザが自分のFollowerになるとは限らず、従って、常に双方向の会話が成り立つとは限らず、またそういう用途に限定している訳でもありません。
 双方向コミュニケーションの前に、興味あるユーザをフォローするところから始めるのがTwitterの流儀です。


・他ユーザとの関係は緩い
 多くのソーシャルサービスにおけるフレンド関係では一定の作法に則り関係を結ぶことが通例です。一般には、現実世界やコミュニティ上での一定の付き合いを経て結ぶことを好ましいと考えるユーザが多く、接点のないユーザからの唐突な関係の申請は忌避されます。また関係の解除は否定的な感情を伴います。
 それに対しTwitterでは、フォローするのも解除するのも自由という流儀となっており、どちらについても特に心理的負担を表明するユーザは少ないようです。


■本書の内容
 本書では、Twitterの概要、利用方法、ツール・サービス、API説明とAPIを利用したプログラミング例などについて、豊富な例を示してわかりやすく解説しています。
 付録に掲載のTwitter開発者のインタビューは、開発者達がどのようなことを考えてTwitterを創ったのかを知ることができ興味深い内容となっています。現在のTwitterの使われ方は、開発者の思惑をはるかに超えるものになりつつあるため、開発者の思いと現状を比較すると面白いです。
 同じく付録のTwitter API仕様書は、APIを使ってプログラミングを楽しむ場合に便利です。


目次:
Chapter0 "今何してる?"でつながるコミュニケーションサイト
Chapter1 Twitterの楽しみ方
Chapter2 特選Twitterツール&サービス活用ガイド
Chapter3 Twitter APIでかんたんプログラミング
Chapter4 実践Twitterツールプログラミング
Appendix A Twitter社キーマンインタビュー
Appendix B Twitter API仕様書日本語版


 本書は装丁も素晴らしいです。B5変形版の正方形の体裁、表紙模様をカバーから透かして見せる用紙選択、表紙・本文とも薄手で開きやすい紙質など、本として手元においておきたくなる造りです。


■著者情報
関根元和 - Wikipedia
CHEEBOW'S HOMEPAGE
※関根元和さんのウェブサイト。
ヒビノアワ
※関根元和さんのブログサイトサイト。
akiyan.coma
※秋田真宏さんのブログサイト。


■書誌情報
Twitterの本(2009.02.26/2009.03.01)


■装丁
木村由紀(MdN Design)

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