【Book】ナッちゃん

たなかじゅん 著、
集英社 刊、
大阪の小さな鉄工所を切り盛りする女の子の話。
http://www.amazon.co.jp/dp/408859634X

 連載10年、ついに21巻で完結。

 亡くなった父が営んでいた、小さな鉄工所を継いだ娘・ナッちゃんが、客からの様々な依頼をノウハウと工夫でこなしていく。
 零細の製造業者でも、独自のノウハウと職人芸があれば世界を相手にオンリーワンの仕事を行っていけるという話は、現実世界のニュースでも取り上げられる。だが本作の舞台は小さな町であり、客も地場産業の小さな食品会社や工場といった小規模顧客の話である。
 よって、派手な話は無いが、一品ものの機械やソリューションを考え出していく様が逆に面白い。

 最近、自分の手を動かしてモノを作るということをあまりしていないが、本作を読むと、昔動かした旋盤や電気ノコギリ、電気ドリルの感触が思い出される。