【Book】琴子の道

森高夕次 作、松山せいじ 画、
秋田書店 刊、
振幅が激しく、方向性が見えないのが楽しい。
http://www.amazon.co.jp/dp/4253150616


 病弱な母と二人暮らしをしている下村琴子は、歌手としてデビューしてお金を稼ぎ母を良い医者に見せることを目標に、歌謡学院でレッスンを受けており、母も生活保護費の中から学費を捻出し琴子の夢を後押ししている。
 母の応援を受け、琴子は高校進学せずアルバイトをしながら歌の道に専念することを選ぶが、行く手には数々の波乱が待ち受けている。

 本書を手に取ったのは、第一にタイトルロゴデザインが気に入ったからである。既存フォントでもなく、デジタルデザインでもない風味のデザインは、最近では珍しい。
 第二に、帯裏に書かれた惹句に引かれたからである。書かれている内容は上記とほぼ同じであり、ここから想定されるごく普通のベタなストーリーを期待したのだが、「波乱」がちょっと極端というかベタの範疇を越えているというか、特殊な味わいである。
 現在、第1巻まで刊行。
 バケるかコケるか、いずれにせよ目が離せない。