【Book】わたしはあい LOVE & TRUTH

外薗昌也 著、
瀬名秀明 監、
講談社 刊、
それは人が生み出したものか、それともあらかじめ存在していたものか。

 天才的ゲームデザイナー・紺野マコトが恋愛シミュレーションゲームでヒットを連作できる秘密は、実在の女性に擬似恋愛をし、自らゲームの主人公になりきって相手の女性の魅力を徹底的に描ききることであった。
 第一作のヒロインモデル・高塚理子は自らも紺野マコトに恋心を抱き会いに行くが、紺野マコトにとって現実の女性への感情はゲーム開発の手段でしかなく、開発完了と共に毎回削除されるものだと告げられる。
 それと同時に、最新作ヒロインのモデルと定めたメイドカフェの受付メイド・亜衣への想いがゲーム開発完了後も消えずにおり、これは初めての経験だということも知らされる。
 既に自分への想いが消えていると分かっていてもあきらめきれない高塚理子が紺野マコトに会いに行った際、亜衣に合わせるとの口実で紺野マコトが拉致されかける現場に遭遇し、成り行きから同行することになる。
 実は拉致ではなく、国内有数の自動車メーカー「芝崎重工」からの招聘であった。芝崎重工では、技術の粋を集めた情報ロボットを開発しようとしており、そこに搭載するAIソフトウェア開発のために紺野マコトを起用したのであった。
 そのロボットとは、紺野マコトが現在恋心を奪われているメイド・亜衣だった。

 各巻で変化する話の様相が面白い。
 第1巻はダメゲームプログラマが萌えキャラ開発に熱を上げる話。第2巻ではソフトウェ工学、ロボット工学的に興味深いハードな展開となり、第3巻で以外な結末を迎える。

■著者情報
外薗昌也 - Wikipedia
外薗昌也 - はてな

■作品情報
わたしはあい - はてな

■書誌情報
わたしはあい LOVE & TRUTH 第1巻(2005.05.XX/2005.05.12)
わたしはあい LOVE & TRUTH 第2巻(2005.08.23/2005.08.23)
わたしはあい LOVE & TRUTH 第3巻(2006.01.23/2006.01.23)
※完結。