【Book】堀さんと宮村くん

HERO 著、
スクウェア・エニックス 刊、
素の自分を見せられる相手がいることは幸せである。


 美人で秀才の堀京子は高校ではクラスの人気者だったが、家に帰ると仕事の母に代わって炊事洗濯弟の世話に忙しく、友達と遊びに行く暇もない暗い青春を送っていた。
 ある日怪我をした弟の創太を家まで送ってくれたピアス多目のビジュアル系の少年は、高校では地味でオタクっぽいと噂される宮村伊澄だった。
 お互い学校では見せていない容姿・性格を知ることになった二人。創太がなついたことから宮村伊澄は度々堀家に遊びに行くようになり、次第に交流を深めていくのであった。

 学校にしろ会社にしろ、人生の中で築く大部分の人間関係において、相手に見せる自分はどこか公の顔を装ったものになる。素の自分をさらけ出すことができる相手というのはごく限られるのが普通ではないだろうか。
 学校では全く接点のなかった主人公二人がふとしたことで互いの素を知るようになり、それが学校での人間関係にも変化を起こしていく。そしてそれがまた二人の気持ちに影響する。共鳴のような構造が面白い。


■著者情報
読解アヘン
※作者のサイト。本作品の元データを公開中。


■書誌情報
堀さんと宮村くん 第1巻(2008.10.20/2008.11.22)
※以下、続刊予定。


■付録情報
・本体表1カバーイラストの別バージョンを掲載。

堀さんと宮村くん 1 (ガンガンコミックス)

堀さんと宮村くん 1 (ガンガンコミックス)