【Memo】講演会@KIRA cafe

 10/20、KIRA cafeにて「人はどのように in world に価値を見いだすようになるのか?」という講演を聞いてきました。


 前段として先日「人はなぜ形のないものを買うのか」(野島美保 著)の読書会があり、物品を伴わないデジタルコンテンツやサービスに対する人の購入意欲や継続利用などを考察されているようです(残念ながらこちらは不参加)。
 その延長として、Second Lifeのような仮想世界に常駐するようなった人はどういう動機でそうなったのかということを、参加者の体験を聞きながら考察してゆくという趣向です。


 なかなかこのような平日の早い時刻に帰宅することが叶わず途中参加となった上、Second LifeクライアントとTweetDeckが競合して繰り返しフリーズしたため短時間しかお話が聞けませんでしたが、個人的にも興味あるテーマのため、実ユーザの意識が聞けたのは幸いでした。


 Second Lifeは一時期「メディア主導の流行扇動」「実世界換金機構を喧伝」という妙な取り上げ方をされたため一過性流行となった感がありますが、一方で着実に定着ユーザも増やしています。
 ユーザ定着の動機としては、上記扇動・喧伝に無関係な価値観として、システム本来機能であるオブジェクト自作や身体カスタマイズによる創造の喜び、イベント等をきっかけとしたコミュニティの形成などが大きな要因になっているようです。この点については、古くはNetNewsやPC通信から最近のSNSまで、変わるところはないと感じています。創造・周知・交流の3要素が重要で、いかにそれが容易に可能かという点(必ずしもシステム固有機能ではなく、ユーザの手にゆる実現が先導する場合もあり)で比較すべきではないかと考えます。
 Second Lifeをはじめとするメタバースシステムは、基盤としてはまだまだ発展の余地があると思うので、今後とも情報収集したい分野です。


■参考
KIRA cafe
 KIRA Japanが運営するSecond Life内の施設で、毎週火曜日22:00から定期的な意見交換会を実施しています。


KIRA研究所 (KIRA Institute)
 5人の物理学者・認知心理学者・哲学者らが1997年に創設した科学・哲学研究機関で、人の持つ「現実感」がどのように構成されているのか、その構造探求を試みています。


KIRA Japan (KIRA Institute Japan branch)
 KIRA研究所日本支部


Second Life
 Linden Lab社が運営するメタバースサービス、及び当該仮想空間の名称。


KIRA cafe10/20にSL内サイエンスカフェ(の