【Book】へんな言葉の通になる−豊かな日本語、オノマトペの世界

得猪外明 著、
祥伝社 刊、
辞書に載らない言葉たち。
http://www.amazon.co.jp/dp/4396110839

 オノマトペとは、擬音語・擬態語の総称である。日本語は他の言語に比べて擬音語・擬態語が豊富だが、言語学においては軽視されており、辞書などにもほとんど掲載されていない。
 著者は民間研究者として、オノマトペを含む感覚的な語、一見無意味な語などを多数採取しており、本書ではそれらをカタログ的に紹介している。
 古典から現代流行語、漫画、方言、海外の(数少ない)オノマトペについて広く紹介しているが、あまり体系だっておらず、ネタの羅列にとどまっているのは残念である。


オノマトペについて
 フランス語由来の学術用語で、日本語学においては擬音語・擬態語全般を指す。
 原義では擬音語のみを指す。


■擬音語・擬態語
 より細分化して呼ぶ場合もある。分類の一例は以下の通り。

・擬音語:自然の音、物音をあらわす語。(ザーザー)
擬声語:人間や動物が発する声をあらわす語。(げらげら)
・擬態語:無生物の状態をあらわす後。(キラキラ)
・擬容語:生物の状態をあらわす語。(のろのろ)
・擬情語:人間の心理状態や感覚をあらわす語。(わくわく)


■チチンプイプイ
 本書で1点心に沁みた言葉。
 語源は一説によると「智仁武勇は御世のお宝」の冒頭(ちじんぶゆう)の変形とのこと。
 なお、柳田國男は民話の中に別の語源を見出したようだ。

へんな言葉の通になる―豊かな日本語、オノマトペの世界 (祥伝社新書)

へんな言葉の通になる―豊かな日本語、オノマトペの世界 (祥伝社新書)