【Book】佐藤可士和の超整理術
佐藤可士和 著、
日本経済新聞社 刊、
ものごとの整理の本質とは。
http://www.amazon.co.jp/dp/4532165946
著者はアートディレクターで、以下のようなプロジェクトで独創的な仕事を行ってきた。
・キリン極生商品開発
「ビールの安価な代替品」というイメージを打ち破り、「ライトでカジュアルな飲み物」という価値観を提示。
・SMAPのCDプロモーション
あえてマスメディアを用いず、渋谷の街を使ったハプニング的プロモーションで耳目を集める。
・FOMA N703iD製品デザイン
直線で構成されたフラット/スクエアな「潔い」デザイン。
・国立新美術館シンボルマークデザイン
「英名頭文字のNACTをモチーフに」という依頼主からの依頼を無視し、国立新美術館の位置づけ、機能を徹底的に追求したデザインを提示。
・ユニクロのTシャツ専門ブランド「UT」の立ち上げ
膨大な商品バリエーションを生かす独特に販売型式、店舗ディスプレイを考案。
本書は、これらのプロジェクトの過程で行ってきた作業や考え方を、次の3つの整理術として紹介している。
・空間の整理
仕事を行う環境を整える。また、アートワークにおけるものの配置も共通な考え方。
・情報の整理
様々なアイデアや素材を整理し、独自の視点を設けた上で、効果的な見せ方を考える。
・思考の整理
もやもやしたコンセプトや思いを、明確に意識化・言語化し、他者に伝わるようにする。
また、これらに共通する整理のプロセスとして、以下のような枠組みを示している。
1.状況把握
a.情報が見えない状態
b.情報を見えるようにする
c.情報を並べる
2.視点導入
d.プライオリティをつける
e.因果関係を明確にし、本質をみつける
3.課題設定
f.本質の整理
g.本質に対して、課題を設定する
磨いて光らせる
反転させる
組み合わせる
整理術というと、物品や情報を対象とするものが多いが、本書はそのような具体的な事柄から、仕事の進め方、コンセプトの具体化などに共通の本質的な方法論を提示しようとしているところが面白い。
- 作者: 佐藤可士和
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2007/09/15
- メディア: 単行本
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