【Book】度胸星

山田芳裕 著、
講談社 刊、
火星で人類を待ち受ける謎の物体。
http://www.amazon.co.jp/dp/4063723976


 2020年代、人類は初の火星着陸に成功する。しかしその直後謎の物体によって着陸船は破壊され、一人の飛行士だけが火星に取り残される。
 計画中止の世論も高まる中、アメリカは人命救助を目的とした第二探査計画を発動する。そのクルーにはNASAだけでなく世界中の宇宙機関で訓練を受けた者が推薦されることになる。


 ストーリーは、日本から火星を目指す主人公達の過酷な訓練生活と、火星に残されサバイバル生活をしつつ謎の物体の正体を探るスチュアート飛行士の活動の2つから構成される。
 宇宙飛行士の訓練風景はいろいろな作品で取り上げられているが、著者らしい味付けが興味深い。
 また火星の「謎の物体」は我々の住む空間を超越する存在として描かれており想像力を掻き立てられる。その不思議さにグレッグ・ベアの「タンジェント」を思い起こした。


 現在第1巻まで刊行。
 本作品は週間ヤングサンデーに連載されていたが、当時の誌面刷新の内容にそぐわないということで連載が打ち切られ未完に終わっている。
 講談社からの復刊を期に続編が発表されないかと期待している。