【Book】ぽちょむきん

北道正幸 著、
講談社 刊、
正義のヒーローと悪の秘密結社が戦う理由はどこに存在するのか。

 悪の秘密結社・ゲルニッカー軍団は、正義のヒーロー・トレンジャーによって壊滅した。
 基地は壊滅し、首領ゲルニックから実験段階の改造人間、構成員にいたるほとんどの人員は虐殺され、わずかに生き残ったのは双子の最終怪人の胎児と4名の構成員だった。
 14年後、最終怪人は中学2年生の少女・ハルカとマドカへと成長し、今は特許コンサルタントとして生計を営む軍団の生き残り・漆崎辰五郎の元で暮らしていた。
 ある日、久しぶりに生き残りの4人が集合し、酒を酌み交わしつつ昔を懐かしんでいると、漆崎辰五郎は軍団の復活を提案し、入念に準備を行ってきたことを告げる。
 構成員といっても、寮の管理人、食堂のコック、広報担当であり、科学者でも戦闘員でもなかった面々は一旦は反対するが、成長した双子の能力を目の当たりにして軍団復活を決意する。
 一方、ごく普通の中学生として暮らしていたハルカとマドカは、突然の軍団復活話に困惑する。 なんとか復活を阻止するため、14年前に引退したトレンジャーに自分たちと八百長の戦闘を行い制止するようにと持ちかけに行く。しかし、かつてヒーローだったことを隠し一般人としての幸福を手に入れたトレンジャーは、その提案を拒絶するのであった。

 特撮ヒーロー物を下敷きに、悪の組織側の視点で描く物語である。
 ヒーローも悪の組織もごく普通の日常生活を持っている。そして戦いに赴く理由や感情も様々なところを面白い。
 最終話までの5話が第5巻として刊行していないので、そのうち国会図書館ででも複写して読みたい。


■著者情報
北道正幸 - Wikipedia
北道正幸 - はてな
スカタン国際的電脳通信網 ねこも~ど
※著者オフィシャルウェブサイト。
kita private
※著者ブログサイト。

■書誌情報
ぽちょむき 第1巻(2000.08.XX/2000.08.23)
ぽちょむき 第2巻(2001.03.XX/2001.03.23)
ぽちょむき 第3巻(2001.11.XX/2001.11.22)
ぽちょむき 第4巻(2002.05.23/2002.05.23)
※最終巻未刊行。

■付録情報
・カバー折り返しに付録4こま漫画を収録。
・第1巻~第3巻初版にトレンジャーカードを添付。

■備考
・第4巻以降に相当する以下の話が単行本として未刊行。
  - 第29話(月刊アフタヌーン2002.06)
  - 第30話(月刊アフタヌーン2002.07)
  - 第31話(月刊アフタヌーン2002.08)
  - 第32話(月刊アフタヌーン2002.10)
  - 第33話(月刊アフタヌーン2002.12)
  ※第31話、第32話は番外編で「プ〜ねこ」に収録。

■装丁
YUTAKA KAWASE