【Book】12月生まれの少年

施川ユウキ 著、
竹書房 刊、
少年は思索にふける無限の時間を保有する。


 12月生まれで10歳の少年・柊が、四季の移ろいを感じながら、日々の些事に深く思いをめぐらせる。

 日々の暮らしが忙しすぎて、物事を思考する時間が足りなくなっている。
 仕事、生活、趣味を含め、行動が定型的になり思考も優先度に縛られたものになりがちである。
 何年にもわたり見続けてきた家の近所の銀杏並木が黄葉しているのにふと気づき、どきりとしたことがある。毎日見ていてもそのなめらかな変化に気づかず、確かに黄葉したという感覚を長年知覚せずにいたことに驚かされた。
 ほんの少しでも良いから、普段の範囲からはずれた思考も行えるように気をつけたいと思った。
 本作品は、そのような感覚を思い起こさせてくれる。


■キーワード
・問題はもっと根が深い!!!
・暗闇で人知れず光る花瓶の中の剣山
・鯉のぼりの歌に何故母鯉が登場しないのか
・怒りのヒヤシンス
・雨宿りに関するポジティブシンキング


■著者情報
施川ユウキ - Wikipedia
施川ユウキ - はてな
施川ユウキのみすぼらしい部屋(仮)
※著者のサイト。
真っ白な原稿の上で、俺は爪を切った。 ある漫画家のブログ
※著者のブログサイト。


■作品情報
12月生まれの少年 - Wikipedia


■書誌情報
12月生まれの少年 第1巻(2008.10.08/2008.10.22)
※以下、続刊予定。


■付録情報
・巻末に作品制作の苦悩を綴ったおまけ漫画を収録。


■装丁
VOLARE inc.


12月生まれの少年 1 (1) (バンブー・コミックス)

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