【Book】それはロボット

流星ひかる 著、
双葉社 刊、
近い将来現れる人類の友人。


 金属にリベット止めの身体、球形の頭に無表情なロボットと、それに関わる人々を描いた短編6本を収録する作品集。

 1本目〜5本目は「成長過程のロボットと人」が主題で、以下のような内容。


・それはロボット
 初期状態で放置されていたのを小学生が発見。

・友だちはロボット
 一般社会での生活を学ぶため高校のクラスに転入し生徒と交流。

・兄はロボット
 成長実験として、人間の子供と兄妹として育てられる。

・同類はロボット
 大学の研究室で研究中、研究生の妹と交流。

・想い出はロボット
 ロボット嫌いの老婆の下に派遣されたメイドロボットの秘密。


 最後の1本は番外的作品で、以下のような内容。


・わたしはロボット
 ある日目が覚めるとロボットになっていたが、誰もそのことに気づかない。


 ロボットの登場する作品にはついつい食指が動くが、人間とは異なる思考・行動をうまく描いた作品に出会うと嬉しくなる。そういう意味で本作品は良作といえる。
 人間と見分けの付かない容姿のロボットが登場する作品が多い中、本作品のロボットは無機質・無表情な機械型だが、それでいて妙に人間くさい演技をする点も好ましい。「まるいち的風景」(柳原望 著)を読み返して対比したくなった。


■著者情報
流星ひかる - Wikipedia
流星ひかる - はてな
飯場通信電脳版
※著者のウェブサイト。


■作品情報
それはロボット - Wikipedia


■書誌情報
それはロボット(200.11.12/2007.12.12)


■付録情報
・本体表1におまけ漫画を掲載。
・本体表4にあとがき漫画を掲載。


■装丁
MASAHIRO FURUYA for kagurazaka magazine sha

それはロボット (アクションコミックス)

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