【Book】ホームセンターてんこ

とだ勝之 著、
講談社 刊、
愛着のある物を捨てずに直して使う。


 福岡出身の井本典子(通称てんこ)は、東京に就職することになった姉・香子を心配する父に頼まれ、東京の高校に進学することになった。
 慣れない土地で新しい生活を始めるにあたり収納家具を入手しようと入った「ホームセンターTENCO」は、顧客の要望に応えることに真剣な店であった。

 新しい家具と入れ替わりに捨てるはずだった祖母の思い出の衣装箪笥を、店長の孫の店員・天道巧作は捨てるのではなく作り直すことを提案する。
 生まれて初めて電動工具を使い手で物を造る感覚を味わった井本典子は、マイドリルを購入してTENCOでアルバイトを始めるのであった。


 工作に興味がなかった主人公がその面白さに目覚め、日常的な工作を繰り返しながら技術を身に着けていく話であり、読んでいると手を動かす工作への欲求がふつふつと湧いてくる。
 著者自身も少年期から様々な工作趣味にはまった経歴を持つらしく、作中に出てくる工作物は実物または模型を実際に制作して作品の参考にしている他、自身のウェブサイトで工作の手順や注意点を公開している。


 本作品とは直接関係がないが、著者は島根県立古代出雲歴史博物館の展示にもイラストを描いているとのこと。


■著者情報
とだ勝之 - Wikipedia
元気堂通信
※著者の旧ウェブサイト。過去の作品紹介等あり。
勝之介工房
※著者のウェブサイト。


■書誌情報
ホームセンターてんこ 第1巻(2008.07.17/2008.07.17)
ホームセンターてんこ 第2巻(2008.12.17/2008.12.17)
※以下、続刊予定。


■付録情報
・本体表1にカバーイラスト別版を掲載。


■装丁
朝倉健司

ホームセンターてんこ(1) (KCデラックス)

ホームセンターてんこ(1) (KCデラックス)

ホームセンターてんこ(2) (KCデラックス)

ホームセンターてんこ(2) (KCデラックス)