【Book】バクマン。

大場つぐみ 作、小畑健 画、
集英社 刊、
漫画家を目指す少年の前途は洋々か?


 漫画家の叔父を持ち小学生の頃から絵が得意な真城最高は、その才能を将来に生かそうとは考えていなかった。
 高校進学を控えた中学3年の時期にあって、良い高校・大学に進学し良い会社に就職するのが普通の人生であり、社会でのランク付けも現在の成績から決まっているつまらない未来だと考えており、将来に夢を抱かず流れに身を任せるままの人生であった。

 ある日、ノートに描いた落書きを高木秋人に見つかり、2人で組んで漫画家になることを持ちかけられる。叔父の影響で人一倍漫画が好きであると同時に、漫画家という職業の厳しさも熟知している真城最高はその申し出を一端断る。しかし、夢を持たずにこのまま進んで良いのかとの高木秋人により心が揺らぐ。さらに、好意を寄せる亜豆美保が将来声優になるという夢を持っていることを知り、自分も漫画家になるという夢を持つことを決意する。


 少年が成長と成功を目指す少年ジャンプらしい主題であるとともに、漫画家を目指す読者への指南書にもなっている。
 集英社漫画誌におけるアンケートシステムや新人賞の評価方法、新人に編集者が応対する際の心理なども細かく描写している点が興味深い。


 少年誌掲載作品ということもあり、主人公は基本的に才能・環境とも恵まれている。話の起伏の中で、葛藤や挫折をどのように描写していくのかが気になるところである。


■著者情報
大場つぐみ - Wikipedia
大場つぐみ - はてな
小畑健 - Wikipedia
小畑健 - はてな


■作品情報
バクマン。 - Wikipedia
バクマン。 - はてな


■書誌情報
バクマン。 第1巻(2009.01.05/2009.01.10)
バクマン。 第1巻(2009.03.04/2009.03.09)
※以下、続刊予定。


■付録情報
・本体表1にカバーイラストの線画を掲載。
・話間に著者2人によるネーム例を掲載。


バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

バクマン。 2 (ジャンプコミックス)

バクマン。 2 (ジャンプコミックス)