【Book】虚数霊 - 演算記録

むらかわみちお　著、
メディアファクトリー　刊、
崩壊した街で、骨董店の女主人・過去を失ったAI・家族を失った少年が寄り添い暮らす。

　駿河湾地震誘発した富士山噴火と直下型地震によって首都東京は壊滅し、生き残った人々は瓦礫の中で細々と暮らしていた。
　北千住の骨董店「楽只堂」は、倒壊家屋から回収した品々のうち「霊的に祝福された逸品」のみを扱うことを旨とする。21世紀初頭に確立された、人の精神活動を測定する技術を応用し、物に転写された人の想いを確認し優良なものだけを販売しているのだ。
　一方で、様々な相談ごと・厄介ごとの調査依頼も絶えないのであった。

　幻冬舎・バーズコミックとして第一巻のみ刊行されていた作品だが、コミックフラッパー誌に新規連載となった。第一巻は、連載分と旧版の加補筆分を含む。

　著者は従来兼業漫画家であり、またイラストレーションの仕事に力点をおいているせいか極端に寡作であった。著者ブログを見ると、本作において漫画家再出発と記されているので、本作品の継続と以外の作品も発表されることを期待したい。

■著者情報
楽只堂
※著者ブログサイト。

■書誌情報
虚数霊　第1巻（2009.10.23/2009.10.31）
※以下、続刊予定。

虚数霊　第1巻（2004.07.24/2004.XX.XX）
※幻冬舎版。
※未完。

■付録情報
・本体表4に応援イラストを掲載。

■装丁
多田和博＋高橋由子（装飾）
フィールドワーク（フォーマットデザイン）