【Book】「分かりやすい説明」の技術 最強のプレゼンテーション15の

藤沢晃治 著、
講談社 刊、
プレゼンテーションとビール瓶の関係。
http://www.amazon.co.jp/dp/4062573873


 別書「「分かりやすい表現」の技術」と対になる書で、こちらが、道路標識・看板・広告・案内表示など、書いたもの・描いたものによって不特定多数の人に正しく意図を伝える表現の技術を紹介しているのに対し、本書では、話すことで目の前にいる人々を説得する説明の技術に焦点を当てている。
 本書では、説明をすることは、ビール瓶に水を注ぎ入れるようなものだという「ビール瓶の原理」を提示している。一度に大量の水を注いでも、口が細いためあふれるだけでうまく入れることはできない。口にあわせて細くゆっくり注いだり、じょうごを使って、まとめて注いでは中に入るのを待ったり、といった工夫が必要になる。このような工夫に相当するのが、本書で紹介する「15のルール」である。
 話べたな人・説明が苦手な人が、まずは数点の改善を行い高い効果を得られる7つのルールを「基礎編」として紹介。次いで、より細かくセンスアップを目指す8つのルールを「応用編」として紹介している。


■ルール1、タイムラグの存在を知れ。
・聞き手が脳内整理棚を準備中はゆっくりと話すなどして待て。
・聞き手の脳内整理棚がいつ準備完了するかに注視せよ。
・聞き手の脳内整理棚の準備が完了してから情報を送れ。


■ルール2、タイムラグを短縮せよ。
・概要を先に与えよ。
・聞き手の脳内整理棚選定作業を詳細情報で妨害するな。


■ルール3、「間」を置きながら、しみ入るように話せ。
・意味別の区切りごとに小休止を取れ。
・キーポイントを話した直後に小休止を取れ。
・複雑な概念を話す時は小休止を多用せよ。


■ルール4、具体性と抽象性のバランスを取れ。
・意識して範囲指定せよ。
・範囲を推測させる具体例を挙げよ。
・大分類名ではなく、小分類名で語れ。
・全体説明と部分説明との間を適宜、行き来せよ。


■ルール5、説明もれに気づけ。
・第三者に事前チェックしてもらえ。
・聞き手の立場を想像せよ。


■ルール6、情報構造を浮かび上がらせよ。
・重複、ムダを整理せよ。
・大項目、小国目の関係を明示せよ。
・対比関係、同列関係を明示せよ。
・キーポイントを添えよ。


■ルール7、キーワードを使え。


■ルール8、論理的な主張をせよ。
・主張の裏づけを用意せよ。
・承認済みの主張は「新しい裏づけ」として再利用せよ。
・分かりやすさの障害となる非論理的な弱点部分は隠せ。


■ルール9、聞き手が知っている事例にたとえよ。
・格言、ことわざを普段から仕入れよ。


■ルール10、聞き手の注意を操作せよ。
・要点を話す前に「問いかけ」で注視させよ。
・「まとめた言葉」で聞き手の整理を助けよ。


■ルール11、聞き手を引率せよ。
・常に聞き手に展望を与えよ。
・聞き手が落伍していないか気配りせよ。


■ルール12、繰り返しの劣化に注意せよ。
・聞き返されたら要注意。
・聞き手は「今日、初めて聞く」ことを忘れるな。
・「伝える」気落ちを取り戻せ。


■ルール13、持ち時間を守れ。
・要約力をみがけ。
・説明内容の要点を大、中、小の見出しに整理しておけ。


■ルール14、聞き手に合う説明をせよ。
・聞き手の持っている前提知識を知ってから説明せよ。
・説明内容を事前に正しく知らせよ。
・聞き手に、必要な前提知識を事前に正しく示せ。


■ルール15、聞き手を逃すな。
・聞き手の不快感を解消せよ。