【Book】わたしたちの好きなもの
河井克夫、上野顕太郎、しりあがり寿 作、
安永知澄 画、
エンターブレイン 刊、
この原作とこの絵柄の組み合わせの振れ幅の無茶さ加減だけで期待感が高まる。
http://www.amazon.co.jp/dp/4757737270
表題作を含む4編の作品を収録。
新進の女性漫画家に鬼才の3人が原作を提供。
コラボレーションとか共同作品というより、「おっさん達が若い娘をもてあそんでいる」(帯の惹句より)「無茶振り」(掲載コラムより)といった表現が的を射ている。
■客わたしたちの好きなもの
少女が恋した人は何故か次々と失踪してしまう。
失踪した高校時代の恋人にプレゼントしたバッジが、父の部屋で見つかった。
父は驚くべき事実を告げるが、それは物語の序章に過ぎない。
■ちぬちぬとふる
人里離れた山奥の研究施設内に存在する人工の街。
博士はある実験のためにそれを作り、十の家族をそこに住まわせた。
十数年の月日の後、開放された被験者が示す実験結果とは。
■カノン
先生は素晴らしい人だった。先生のことが好きだった。しかし先生は少女の価値観を認めなかった。
1曲の音楽が、過去の切ない記憶を呼び覚ます。
■なぎ
「渦堂家の女性は必ず17歳までに変死するか行方不明になる」。
一族に伝わる伝説を研究にするために古文書を調べる大学生は、従妹が迎える17歳の恐るべき誕生日に立ち会う。