【Book】トランスルーセント〜彼女は半透明〜
岡本一広 著、
メディアファクトリー 刊、
見えないものを見る力。
中学2年生の少女・白山しずかは、体が周期的に透明になってしまう「透明病」に悩んでいた。
透明になること以外は健常者と変わりはないが治療法は判明しておらず、この病気と向き合いながら暮らしていくしかない。
いずれ透明のままになって周囲の人々から存在を忘れ去れてしまうのではないかという不安を常に感じている白山しずかに、クラスメイトの唯見マモルは「目を閉じればはっきりと顔が見える」と励ます。
そして、白山しずかは自分の夢である女優を目指す道を歩みだす。
中学生の頃というのは将来のこと、精神・身体のこと、対人関係のことなど様々な不安が湧き上がる時期だと思う。
主人公の「透明病」はまさにその象徴ともいえ、この病気によってあらゆることをあきらめなければならないのではないかと不安に感じる心理のゆれが切ない。
しかしそれは良き友人や大人の暖かい支援の手によって支えられる。
この世界が、そういう作りであって欲しいと思わせる作品。
■著者情報
岡本一広 - Wikipedia
プラモの箱あけしめ
※著者のブログサイト。
■書誌情報
トランスルーセント〜彼女は半透明〜 第1巻
トランスルーセント〜彼女は半透明〜 第2巻
トランスルーセント〜彼女は半透明〜 第3巻
トランスルーセント〜彼女は半透明〜 第4巻
トランスルーセント〜彼女は半透明〜 第5巻
■装丁
松本圭司(装飾)
フィールドワーク(フォーマットデザイン)