【Book】ヘレンesp

木々津克久 著、
秋田書店 刊、
不便を受け入れ対応する人間は不幸ではない。


 5年前の交通事故で両親を失い、自身も視覚・聴覚・発声能力を失った少女、ヘレン・高原・ラ=グィードは、叔父の下で盲導犬のヴィクターとともに静かに暮らしていた。
 ある日夢うつつに呼ばれ出会った人ならざるものとの会話で、自分に特殊な能力があることを告げられる。以降、不思議な経験を繰り返していく。

 「フランケン・ふらん」著者の新作。
 巻末のおまけ漫画には両作の主人公が競演する内容で一見ファンサービスにも見えるが、本作品の主題とも言えるメッセージが込められている。


 第1巻で特に印象に残ったのが次の2箇所。


・第9話4頁目。高校に編入したヘレンにできた友人が、昼食に誘うため紙くずを投げ当ててヘレンに合図を送る。粗野だが気取らないその行為に心動かされた。
・第8話最終頁。読みようによっては非常に残酷な結末。あえてそうなのか、色々な解釈ができる描写になっている。


■著者情報
木々津克久 - Wikipedia
木々津克久 - はてな


■作品情報
ヘレンesp - Wikipedia
ヘレンesp - はてな


■書誌情報
ヘレンesp 第1巻(200901.08X/2009.01.20)
※以下、続刊予定。


■付録情報
・巻末におまけ漫画を掲載。


■装丁
SACHIKO SUDA

ヘレンesp 1 (少年チャンピオン・コミックス)

ヘレンesp 1 (少年チャンピオン・コミックス)