【Book】となりのクレーマー 「苦情を言う人」との交渉術

関根眞一 著、
中央公論社 刊、
クレームは宝の山だ。
http://www.amazon.co.jp/dp/4121502442


 西武百貨店・お客様相談室で苦情対応係りとして活躍した著者が、実体験に基づクレーム対応のエピソードとノウハウを紹介する。
 本書ではクレーマーを単にクレームを言う人ではなく、「些細な事柄を大げさに取り上げる」「苦情ゲームを楽しむ」「愉快犯、恐喝に近い」などの特徴を持った人と定義している。
 クレーマーも一般顧客も、クレーム、苦情を上げてくる場合には一見区別はつかない。そしてその怒りの感情や声の大きさなどに目が行き、対応者は萎縮して無闇に低姿勢になったり、あるいは対抗してヒートアップするなど、結果として双方にとって不幸な結果になる場合が多い。
 著者は、クレーマーと一般の苦情を冷静かつ明確に区別し、前者には毅然とした態度で、後者には傾聴と理解の態度で臨むべしと解き、その際の心構えなどを説明している。

 苦情窓口にかぎらず、お客様と対峙し、負の感情を伴った場面でのコミュニケーションをする必要がある人には参考になる内容である。